SIGHT/SEEING: On the Pacific Coast of Fukushima

2011年の4月に『すべては初めて起こる』という作品を制作・撮影するために、いわき市、広野町、南相馬市、飯舘村を訪れて以来、幾度となく福島県の浜通り地方を旅してきました。いろいろな風景やもの、さまざまな人々に出会い、一人つぶやき、誰かと会話し、歩いたり、クルマを運転したり、時にうたを歌ったり、食事をしたりして、その傍で写真を撮り続けています。ここにある写真は2015年11月に双葉町と大熊町、2019年1月に福島第一原子力発電所、および双葉町で撮影した写真、そして2024年に浜通りの12市町村といわき市に断続的に滞在した際に撮影した写真からセレクト、編集したものです。

もし、カメラのシャッターをいつ、どこで押すのか、撮影された写真の選択の基準は何なのか、と問われれば「確かに自分はここに立っている」という自身の場所に対する身体感覚と「あなたはここに確かに存在しますね」「このモノが確かにここにあります」という確信だと答えます。そして一枚の写真を見る時に、そこにあるもの、映っているものとともに、そこに映らなかったものや人、そのフレームの外側にある膨大な世界を想像して、時間というものはリニアに進むわけではないと強く思うのです。

大森克己

© Katsumi Omori

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